学習塾の種類と向いている子どもの特徴と目標や指導の違いについても解説！

学習塾の種類と向いている子どもの特徴と目標や指導の違いについても解説！塾はジャンルや特徴が多岐にわたるため、最適な選択に悩む保護者は少なくありません。この記事では、塾を目標別・教育スタイル別・スケール別に分類し、特徴と適している子の傾向についてまとめました。また、塾選びの際の注意点も紹介するので、お子さまに合った塾を見つける参考にしてください。

塾は大きく分けると3ジャンルある

学習塾は大きく分けると「目標別」「教育スタイル別」「スケール別」の3つになります。

目標別では進学塾をはじめ、補習塾、総合塾、専門塾の4つです。教育スタイル別では集団型、個別型、映像型、自立型の4つに分類されます。スケール別では大手塾と小さな塾・個人塾の2ジャンルです。

これらの分類は互いに排他的ではなく、たとえば「誰もが知る有名な学習塾で個別指導を受ける」といった形で、それぞれの要素を組み合わせた塾も存在します。塾を選ぶ際はこれらの分類を参考にしながら、お子さまの性格や方向性に合った塾を探すといいでしょう。

目標別の塾4ジャンルの特徴

目標別の塾は進学塾、補習塾、総合塾、専門塾の4ジャンルがあります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

進学塾

進学塾は受験準備に特化しているのが特徴です。カリキュラムは学校の授業進度とは独立して構成され、多くの場合、塾独自の教材を採用しています。

向いている子どもの傾向としては、学校の授業内容を十分に理解している子、大学進学を強く希望する子です。理由としては、入試に向けた高度な内容を学ぶ環境が整っているためです。

利点としては受験に精通した講師陣の存在、最新の入試情報やテクニックの提供、そして高いモチベーションを持つ生徒たちとの切磋琢磨が挙げられます。しかし、授業の進度が速いため苦手分野の克服が困難な場合がある点、専用教材の購入が必要となる点は短所といえるでしょう。

したがって、進学塾を選択する際は学力、学習意欲、将来の目標などを慎重に検討し、環境が適切かどうかを見極める意識が重要です。これらの要素を総合的に判断すれば、最適な学習環境を選択できるでしょう。

補習塾

補習塾は学校の授業内容の理解を深めることに重点を置いているのが特徴です。ほとんどが学校のカリキュラムに沿って授業が進められ、教材も学校で使用されている教科書やドリルを活用します。

向いている子どもの傾向としては、基礎学力の向上を目指す子、規則正しい学習習慣を身につけたい子が最適です。

利点としては、基礎知識の確実な習得、定期テストの成績向上や内申点の改善、講師との密接なコミュニケーション、そして学習意欲の向上が挙げられます。一方で、受験に関する情報や専門的なテクニックが比較的少ない点、また学習レベルに上限がある場合がある点などが欠点として考えられます。

補習塾は学校の授業についていくことが困難な子はもちろん、推薦入試を検討しつつ内申点の向上を目指す子にとっても、理想的な学習環境です。幅広いニーズに対応できる柔軟性を持っているといえるでしょう。

総合塾

総合塾は進学塾と補習塾の特徴を併せ持っているのが特徴です。特筆すべきは、生徒の学力レベルや目標に応じて、補習用のコースから受験対策用のコースまで、幅広い選択肢を提供している点でしょう。

また、総合塾はさまざまな学年の子どもを対象としています。将来の進路に迷いがある子や、柔軟な学習アプローチを求める子にとって理想的な環境です。

利点としては学習目標の変更時に転塾する必要がないこと、さまざまな学力レベルの塾生が在籍しているため、互いに刺激しあえる環境が整っていることが挙げられます。一方で、特定分野に特化した専門的な指導を求める子には物足りなさを感じる可能性があること、講師を自由に選べない可能性があることが欠点です。

総合塾は入塾後も学習方針の変更ができるという柔軟性をもっています。そのため、学習方法や将来の進路について迷いがある子どもにとっては、最適な選択肢となる可能性が高いでしょう。

専門塾

専門塾は特定の学問分野、特定校への受験対策、または特定のスキル向上に焦点を当てているのが特徴です。

おもに特定の教科、文系・理系といったさまざまな学問領域、または志望校別の対策に特化しています。さらに英語会話能力や速読技術などの特殊なスキル開発を目的とした専門塾もあるほどです。

向いている子どもの傾向としては、将来の進路が明確に定まっている子、通常の学校カリキュラムでは学べない特殊な分野に興味を持つ子に最適です。

利点は高度な専門知識を持つ講師陣による指導、目標達成に直結する効果的なカリキュラム、そして同じ目標を持つ仲間との切磋琢磨によるモチベーション維持が挙げられます。一方で、専門分野以外の学習サポートが限られていること、総合的な学力向上には直接結びつきにくい可能性があることが欠点といえます。

専門塾を選択する際は、塾の専門性が子どもの興味や将来の目標とマッチしているかを慎重に吟味しましょう。適切な塾選びができれば、特定分野における飛躍的な成長につながります。

教育スタイル別の塾4ジャンルの特徴

教育スタイル別の塾は集団型、個別型、映像型、自立型の4ジャンルがあります。ここでは、それぞれの4ジャンルについて詳しく解説します。

集団型

集団授業は学校の授業形式とよく似た指導方法を採用しているスタイルです。クラスの規模は塾によって異なり、10人程度の少人数制から30人程度の比較的大きな集団までさまざまなコースがあります。

特徴は塾が設定したカリキュラムと時間割に沿って学習が進められ、生徒の目標や学力レベルに応じてクラス分けがなされることです。周囲の環境から刺激を受けて学習意欲が高まるタイプの子や、経験豊富な講師による指導を希望する子に適しています。

利点としては、ほかの生徒との競争を通じた学力向上、プロフェッショナルな講師陣による指導、比較的低コストでの受講が可能なことなどが挙げられます。一方で、個々の生徒のニーズに対する柔軟な対応が難しいこと、競争がストレスの原因となる可能性があること、授業への出席自体が目的化してしまう傾向があることは欠点として考えられるでしょう。

子どもに最適な集団型の塾を選ぶためには、授業の前後に積極的に質問をするなど、講師とのコミュニケーションを十分に取る姿勢が重要です。これにより、集団授業の利点を最大限に活用できるでしょう。

個別型

個別指導は講師ひとりが数名の生徒を担当するスタイルです。各生徒の目標や苦手分野にあわせてカスタマイズされた指導が行われるのが特徴といえます。

すでに理解している内容はスムーズに進め、苦手な部分に時間をかけるなど、効率的な学習が可能です。したがって、自分のペースで学習したい子、自主性の高い子、また部活動や他の習い事で時間的制約のある子に適しています。

利点としては、生徒の進度に合わせた学習が可能なこと、個別のニーズに細かく対応できること、講師への質問がしやすい環境であること、そして生徒の生活スタイルに合わせて通塾できることなどが挙げられます。

一方で、他の生徒との競争がないためモチベーション維持が難しい場合があること、また集団授業と比較して費用が高くなる傾向があることなどが欠点です。

個別指導塾を選択する際は、塾全体のサポート体制、講師の質、そして費用対効果を慎重に検討してください。これらの要素を十分に比較すれば、お子さまにとって最適な学習環境を選択できるでしょう。

映像型

映像授業は講師が行う授業の映像を視聴しながら、生徒が教材を進めていくスタイルです。事前に録画された授業を視聴するところもあれば、リアルタイムでライブ配信される授業に参加するところもあります。どちらもパソコン、スマートフォン、タブレットなどのデバイスを通じて受講できるのが特徴です。

向いている子どもの傾向としては、高度な内容の授業を希望する子、基礎的な学力がある程度身についている子が挙げられます。

利点は地理的な制約なく一流講師の授業を受けられること、時間や場所を選ばず学習できること、理解できなかった部分を何度も復習できること、比較的低コストで利用できることです。

一方で、疑問点をその場で解決しにくいことや、自己管理が求められるため学習意欲の維持が難しい場合があることなどが欠点として考えられます。

最適な映像型の塾を選ぶには、質問対応が充実していたり学習スケジュール管理をサポートしてくれたりするところを基準にしてください。このような配慮がある塾なら、映像授業の利点を効率よく活用できるほか、効果的な学習を進められます。

自立型

自立学習型は塾生が主体的に学習を進めるスタイルです。塾生は自ら参考書を読んだり映像授業を視聴したりしながら学習を進め、疑問点がある場合にのみ、教室を巡回する講師に質問するという形態をとります。

塾は塾生に課題を与え、学習スケジュールの管理をサポートしますが、学習の進行は基本的に塾生主導です。したがって、自己管理能力が高く自主的に学習を進められる子や、積極的に質問できる子が適しています。

利点としては、生徒個々の課題や目標に応じたカスタマイズされた指導が受けられること、自主的な学習習慣が身につきやすいこと、生徒のペースで学習を進められること、比較的低コストで利用できることなどが挙げられます。

一方で、自主性や積極性が不足している場合には学習効果が得られにくいこと、また自己管理が求められるため学習意欲の維持が難しい場合があることなどが欠点です。

自立型の塾を選択する際は、お子さまの自主性や積極性を十分に考慮し、適切なサポート体制が整っているところを選びましょう。

スケール別の塾2ジャンルの特徴

スケール別の塾は大手塾と小さな塾・個人塾の2ジャンルに分けられます。ここでは、それぞれの特徴についてくわしく解説します。

大手塾

大手塾は全国に知られるスケールの大きな塾です。過去の塾生データをフル活用できるほか、全国模試やテストが受けられるほか、さまざまな教育課程を受けられます。また、テレビでも有名なカリスマ指導者の在籍も特徴のひとつです。

向いている子どもの傾向としては、過去データを活用して学習したい子やたしかな指導者によるクオリティの高い授業を受けたい子が挙げられます。

利点は入試を対策できるノウハウが充実していること、自習室が提供されていること、質の高い独自の教材が容易されていることです。一方で短所は柔軟性が乏しいこと、小さな塾に比べると割高なことが挙げられます。

大手塾を選ぶ際は、子どもの学力レベルや方向性に合った教育課程が提供されているかを確認しましょう。

小さな塾・個人塾

小さな塾・個人塾はいわゆる地域密着型の塾です。校舎が限られているほか、指導者は基本的にひとりというケースがほとんどです。

塾生のレベルに合わせた学習ができるほか、主要教科だけでなく副教科もサポートしてくれる可能性が高いです。また、指導者とコミュニケーションが取りやすいため、塾ならではの指導を受けたい子や柔軟な対応を希望する子に適しています。

利点は塾生のペースで学べること、臨機応変な対応を期待できることです。一方で入試ノウハウが乏しいこと、指導者のクオリティにばらつきがあることが欠点といえます。

小さな塾や個人塾を選ぶ際は、教育方針や指導者の経験と実績を確認しましょう。

学習塾を選ぶ際の注意点

学習塾を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントに注意を払わなければなりません。

まずは自習室の有無が大きなポイントです。自宅では集中できない子にとって、自習室は貴重な学習環境となります。次に指導者の選択肢があるかどうかも確認しましょう。とくに個別指導の場合、相性のよい指導者を選べるかどうかが学習効果に大きく影響します。

さらに欠席した講座の振替が可能かどうかも重要な確認事項です。学校行事や体調不良で欠席したケースの対応策があるかどうかで、学習の継続性が左右されます。加えて、塾の雰囲気や教育方針、費用対効果なども総合的に検討するのも大切です。

ここでは、学習塾を選ぶ際の3つの注意点について詳しく解説します。

自習室はあるか

自習室の有無は塾選びにおいて重要なポイントのひとつです。自習室は集中して勉強するのに適した環境を提供し、自宅では得られない学習効果をもたらす可能性があります。

とくに家庭環境や性格的な要因で自宅学習が難しい子にとって、自習室の存在は非常に価値が高いです。自習室があれば、講座の前後に予習や復習を行ったり、テスト前に集中して勉強したりすることができます。

また、同じ方向性を持つ仲間と一緒に学ぶと、モチベーションの維持にもつながるでしょう。したがって、自習室の利用可能時間や設備、サポート体制なども確認しておくと最適な塾を選びやすくなります。

なかには質問対応の指導者が常駐している自習室もあり、そのような環境は学習効率を大きく向上させる可能性が高いです。

自習室の有無と質は塾での学習効果を左右する重要な要素のひとつです。比較を行う際は慎重に検討しましょう。

指導者は選べるか

指導者の選択が可能かどうかは、塾選びの際に考慮すべき重要なポイントのひとつです。指導者の質は講座の質に直結し、学習意欲や理解度に大きな影響を与えます。とくに個別指導の場合、指導者との相性は学習効果を左右するため、十分に注意しなければなりません。

指導者を選べる塾では、お子さまの性格や学習スタイル、得意・不得意科目に合わせて最適な指導者を選択できます。検討する際は指導者の経歴や指導方針、得意科目などの情報を確認し、可能であれば体験講座を通じて相性を確かめましょう。

また、指導者の変更が可能かどうかも確認しておく必要があります。なかには理系の学生指導者がシフトに入りづらくなる時期もあるため、あらかじめ対応策を確認しておく意識も大切です。

お子さまに適した指導者を選べる塾を探せば、より効果的な学習環境を整えられるでしょう。

欠席した講座の振り替えはできるか

欠席した講座の振替が可能かどうかは、塾選びの際に確認すべき重要なポイントです。学校行事や体調不良などで、予定していた講座に参加できない可能性は十分に考えられます。

振替講座が可能な塾であれば、学習の連続性を保ち、遅れを取り戻すチャンスが得られます。振替システムについては、可能な期間や回数、手続きの方法などを事前に確認しておくといいでしょう。

また、追加料金が必要かどうかの確認も重要です。なかにはオンラインでの振替講座を提供している塾もあります。これは時間や場所の制約が少なく、柔軟に対応できる長所といっても過言ではありません。

加えて、質も重要なポイントのひとつです。欠席した講座と同等の内容や質が保証されているかを確認すれば、学習効果を最大限に維持できます。

振替システムの充実はお子さまの学習機会を確保し、安心して通塾できる環境を整えるうえで重要なポイントとなります。

まとめ

学習塾の選択は子どもの学力向上と将来の可能性を広げる重要な決断です。

進学塾、補習塾、総合塾、専門塾といった目標別の分類や、集団型、個別型、映像型、自立型という教育スタイル別の分類、さらに大手塾と小さな塾・個人塾というスケール別の分類を理解すれば、最適な塾を選択できるでしょう。

相応しい塾を利用すれば、学力向上だけではなく、自信や学習意欲の向上にもつながります。慎重に検討を重ね、成長を最大限サポートできる環境を選びましょう。